肺がんの腫瘍マーカー別の陽性率と基準値

 腫瘍マーカーは、がんによって血中に増える物質の量を測定する検査です。ただし陽性率は必ずしも高くないため、がんを見つけるための検査というよりは、進行度や治療具合などを確認する目的で活用されています。

肺がんの腫瘍マーカーの種類

 肺がんの検査には、胸部X線検査や喀痰細胞診、CTなどがありますが、その中でも血液を採取して行なう検査が腫瘍マーカーです。がんにかかると、特定のタンパクなどの物質が血中に増えるため、その数値を測定することでがんの有無を調べます。

肺がんでは、腺がんの場合は「CEA(がん胎児性抗原)」、扁平上皮がんの場合は「SCC(扁平上皮がん関連抗原)」や「CYFRA(シフラ)21-1」、小細胞がんの場合は「NSE(神経特異的エノラーゼ)」や「ProGRP(ガストリン放出ペプチド前駆体)」などの物質が血中に増えるため、これらの数値を測定します。

ただし腫瘍マーカーの精度はそれほど高いとはいえません。特に早期の肺がんでは陰性になるものが多いですし、また肺がんではないのに陽性となる「偽陽性」も一定の割合で見られます。

そのため肺がんのスクリーニング検査というよりは、治療後にどれだけがん細胞が消滅したかを調べたり、再発していないかどうかを確認したりするなど、補助的に用いられているのが現状です。

肺がんの腫瘍マーカーの陽性率と基準値

 腫瘍マーカーでは、特定の物質の数値が基準値を超えた場合に陽性と判定されます。ステージが進行すればするほど物質が増えるため、陽性率は上がることが一般的です。

腫瘍マーカー 基準値 組織型 ステージ別陽性率(%) 偽陽性率
I・U V W
CEA 50ng/ml 全がん 20〜30 40〜50 50〜70 25%
SCC 2.5ng/ml 扁平上皮がん 25〜30 50〜60 50〜70 15%
CYFRA21-1 2.0ng/ml 扁平上皮がん 40〜50 70〜80 70〜80 10%
NSE 10.0ng/ml 小細胞がん 0 60〜70 65〜80 5%
ProGRP 46.0ng/ml 小細胞がん 35〜45 55〜70 70〜80 3%
SLX 40.0Ug/ml 腺がん 5〜15 50〜60 50〜80 10%

※「呼吸器腫瘍マーカー臨床マニュアル」(医学書院)より引用

上記のように、陽性率は腫瘍マーカーの種類によって異なります。

中でも「ProGRP」は早期のがんでも陽性率が比較的高く、偽陽性も少ないことから、小細胞がんの発見に有効とされるマーカーです。同じく「CYFRA21-1」も、扁平上皮がんの早期発見率が高いマーカーといえます。

肺がんの治療では、それぞれのマーカーの特徴に合わせ、複数を組み合わせて使われることもあります。

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