肺がんの喫煙リスクと悪性度

 肺がんの原因として、誰もが思いつくのは喫煙(タバコ)です。

喫煙と肺がんには明らかな因果関係が認められており、喫煙習慣のある人はない人と比べて肺がんリスクが有意に上昇します。さらに喫煙による肺がんは、悪性度が高い点も特徴です。

喫煙によって肺がんリスクは4倍以上にもなる!

 喫煙が肺がんリスクを上昇させることは、世界中で確認されています。欧米では、肺がんの原因の実に90%を喫煙が占めるといわれ、喫煙者の肺がんリスクは、非喫煙者の20倍以上とされています。

日本でも、喫煙と肺がんの関係は統計によって明らかになっています。

厚生労働省の多目的コホート研究によると、喫煙が原因の肺がんは男性でおよそ68%、女性でおよそ18%とされ、喫煙者の肺がんリスクは非喫煙者と比べて男性でおよそ4.5倍、女性で4.2倍というデータが出ています。

特に「1日の喫煙箱数×喫煙年数」で表される「喫煙指数」の数値が高ければ高いほど、肺がんリスクが上がることも分かっています。

喫煙指数が40〜59のグループは、非喫煙者の約4.8倍、60以上になると実に6.4倍にもリスクが上がるのです。

※「厚生労働省多目的コホート研究(1990年〜継続中)」より引用

さらに吸っている本人のみならず、周りにいる人たちも受動喫煙によって肺がんリスクが2倍に上がります。特に喫煙者の夫を持つ妻の肺がん(肺腺がん)リスクは高く、夫が喫煙していなければ防げた肺がんが約37%あると推測されるほどです。

喫煙による肺がんは悪性度が高い

 喫煙が肺がんに及ぼす影響には、もう一つ「悪性度」の問題もあります。

がんにはいくつかの組織型があり、進行が速いタイプとそうでないタイプが存在します。肺がんでは、特に「小細胞がん」の進行が速く、見つかった時には既に他の臓器に転移していることも少なくありません

小細胞がんは、太い気管支が通る肺の入り口(肺門部)にできることがほとんどです。肺門部のがんは、まさに喫煙によって発症しやすいがんですので、タバコが原因の肺がんほど悪性度が高くなりやすいといえます。

このように、喫煙は治りにくい肺がんの大きな原因になるため、予防のためにも禁煙することが非常に大切です。自力でやめるのが難しい人は禁煙外来を利用するなどして、早めに禁煙にチャレンジするようにしましょう。

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