肺がんの治療法別にかかる費用の目安

 肺がんの宣告を受けた時、命の心配はもちろんですが、同時に治療にかかる費用の心配も出てきます。しかし日本には高額療養費制度があるため、ひと月の治療費が10万円を越えることはほとんどありません。

肺がんの治療別にかかる費用

 肺がん治療の3本柱である「外科手術・抗がん剤治療・放射線療法」の治療費の相場は、以下の通りです(いずれも3割負担での計算となります)。

外科手術の治療費

 肺がんの手術代は、組織型や切除する範囲によって異なります。非小細胞がんより小細胞がんのほうが高く、またステージが進めば進むほど高くなることが一般的です。

たとえば非小細胞がんでステージT期の手術の場合、入院費用なども含めておよそ30万円が相場です。

しかしステージが進むと切除範囲が広くなる上、再発防止のために術後の抗がん剤治療が加わることが多いため、費用は平均45万円ほどになります。

抗がん剤の治療費

 がん治療の中でも高額になりやすいのが抗がん剤です。何ヶ月かにわたって投与することが多いため、費用が継続的にかかりやすい治療だといえます。

たとえば再発防止目的で術後に使われる「テガフール・ウラシル配合剤(UFT)」の場合、連日2年間にわたっての服用が多く、ひと月およそ32,100円×24ヶ月で、合計70万円以上がかかります。

一方、手術できない肺がんに対して投与される「カルボプラチン+パクリタキセル」は、1コース(3週間)で約15万円です。また「ゲフィチニブ」や「エルロチニブ」などの分子標的薬は、連日服用で1ヶ月あたり約30万円かかります。

放射線療法の治療費

 肺がんの病巣に、集中的に放射線を照射する「定位放射線療法」は、週1回を4度繰り返す標準的なスケジュールで、約19万円です。また保険の利かない「重粒子線治療」は、全額自己負担となり、およそ300万円もかかります。

肺がんの治療では、抗がん剤と放射線の併用療法がよく行なわれますが、その場合は入院費なども含めてひと月45万円が相場です。

高額療養費制度を活用すれば、自己負担額は意外と低い

 肺がんの治療費は、一見すると高額に思えますが、実は必ずしも全額を支払う必要はありません。社保や国保など、健康保険に加入している人であれば「高額療養費制度」が適用されるからです。

それぞれの収入に応じた医療費の上限が定められていますので、それを越える分は支払いが免除されます。

高額療養費制度を活用すれば、一般的な所得の人の場合、ひと月の医療費が10万円を越えることはほとんどありません。とはいえ普段の支出よりは多くなってしまいますので、万一に備えてがん保険などに加入しておくと安心です。

高額療養費制度と自己負担額

 肺がんの治療には、手術や抗がん剤など費用のかかるものが多いため、支払えるかどうか不安になる人も多いものです。

しかし日本には、所得の額に応じて医療費の上限額が決められる「高額療養費」という制度があるため、治療にかかった費用を全額支払う必要はありません。

肺がん治療には「高額療養費制度」を活用しよう

 高額療養費制度とは、ひと月にかかった医療費が高額になった場合、上限額を越える分については支払いが免除されるシステムです。

原則としてはいったん窓口で全額を支払い、後日、加入している保険組合から限度額を越えた分が払い戻される仕組みになっていますが、多くの組合では事前に申請すれば、最初から限度額のみを窓口で支払えるようになっています。

肺がんの宣告を受け、治療を開始することが決まったら、早めに加入している保険組合に連絡して「高額療養費支給申請書」を提出しましょう。

高額療養費制度の対象となるのは、保険が適用される治療です。保険の利かない先進医療や、まだ認可されていない新しい抗がん剤、また入院時の食費や個室代などについては対象外となります。

また気を付けたいのは、「同月内に同一の医療機関でかかった医療費」が対象になるという点です。ですから入院が月をまたいだ場合などは、それぞれ別の月の医療費としてカウントされ、人によっては高額療養費制度が適用されない可能性もあります。

ある程度大きな病院であれば、がん治療費についての相談を受け付けてくれますので、治療前にまずは窓口に相談してみるのも一つの方法です。

高額療養費制度の自己負担限度額

 高額療養費制度の自己負担限度額は、年齢や所得に応じて変わります。

70歳未満の方

区分 自己負担限度額 多数該当(過去1年間で4回以上、高額療養費の支給を受けた場合の自己負担限度額)

区分ア

(標準報酬月額83万円以上)

252,600円+(総医療費−842,000円)×1% 140,100円

区分イ

(標準報酬月額53万〜79万円)

167,400円+(総医療費−558,000円)×1% 93,000円

区分ウ

(標準報酬月額28万〜50万円)

80,100円+(総医療費−267,000円)×1% 44,400円

区分エ

(標準報酬月額26万円以下)

57,600円 44,400円

区分オ

(市区町村民税の非課税者)

35,400円 24,600円

70歳以上75歳未満の方

区分 外来(個人ごと) 外来・入院(世帯ごと)
現役並み所得者(標準報酬月額28万円以上で高齢受給者証の負担割合が3割) 44,400円 80,100円+(医療費-267,000円)×1%
一般所得者 12,000円 44,400円
低所得者 8,000円

24,600円(被保険者が市区町村民税の非課税者)

15,000円(被保険者とその扶養家族全ての方の収入から必要経費・控除額を除いた後の所得がない場合)

70歳未満で一般的な所得の人の場合、「区分ウ」に該当します。

たとえば肺がんの治療で手術代が45万円かかったとしても、「80,100円+(総医療費−267,000円)×1%」で計算すれば、「81,930円」が限度額となり、これを越える分については免除されることになります。

とはいえ、もちろん普段の支出よりは大きくなってしまいますので、万一の時に治療に専念できるよう、医療保険やがん保険などに加入して備えておいたほうが安心です。

スポンサードリンク

肺がんの臨床試験・治験募集

以下は現在募集中の治験の広告となります。

ページの一番上へ
サイトのTOPページへ