肺がんの外科手術による完治率(5年生存率)

がんでは、治癒できる可能性を示す数値として「5年生存率」がよく用いられています。肺がんの5年生存率は、U期まではやや高いものの、V期以降は厳しい数字となっています。

肺がんの5年生存率

がんでよく使われる「5年生存率」とは、がんの診断を受けた時点から5年後の時点で生存している人の割合を表したデータです。

がんは、初回治療から5年経過すれば再発のリスクはほとんどなく、完治の扱いになるため、5年生存率はそのまま「完治する確率」として参考にすることができます

5年生存率は、発表する病院によっても数値が異なりますが、おおよその傾向は見られます。肺がんの場合、非小細胞がんと小細胞がんによって数値が違いますので、別々に見る必要があります。

・非小細胞がんの5年生存率

TA 93%
TB 84%
UA 68%
UB 71%
VA 41%
VB 35%
W 23%

小細胞がんの5年生存率

限局型 32%
進展型 なし(2年生存率6%)

※国立がん研究センター中央病院 (2000年1月〜2004年12月の切除例)

非小細胞がんの場合、T期のうちに発見できれば5年生存率は高く、8〜9割の患者さんが完治できていることになります。これを見るだけでも、早期発見がいかに重要であるかが分かります。

U期でも平均して約70%と、やや高い数値ですが、V期からは一気に下がってしまいます。遠隔転移しているW期になると、わずか23%です。4分の3の患者さんは、5年を待たずに亡くなってしまう計算になります。

一方、小細胞がんは、片肺にとどまっている「限局型」でも32%、さらに病巣が広がっている「進展型」では既に5年生存率を算出できず、2年生存率でたったの6%という、非常に厳しい数値となっています。

これは小細胞がんの進行が速く、悪性度が高いためです。

肺がんの5年相対生存率

5年生存率は、あくまで診断時から5年後の時点で生存している人の割合を示した数値ですので、死因が必ずしも肺がんとは限りません。中には、他の要因で亡くなる人も含まれています。

そこで、がんと診断された時点から5年後に生存している人の割合が、同じ性別・年齢のがんではない人と比べてどれだけ低いかを示した、「5年相対生存率」という数値も参考にされることがあります。

非小細胞がんの5年相対生存率

T 80.4%
U 41.4%
V 21.4%
W 4.9%

小細胞がんの5年相対生存率

T 51.4%
U 30.5%
V 22.5%
W 4%

※全がん協加盟施設の5年相対生存率(2001-2003年症例)

肺葉切除か温存手術か?

肺がんをTA期で発見できた場合、肺葉をまるごと切除する「肺葉切除術」ではなく、病巣だけを切除する簡単な手術で十分のような気がする人もいるかもしれません。

しかし再発のリスクを考えると、やはり肺葉切除術を受けたほうが安心です。

肺がんでは、早期でも肺葉切除術が基本

肺がんをTA期で発見できることは、非常に幸運なことです。ほとんどは、症状のないうちに検診を受けるなどして発見できたケースになります。

がんのサイズが3cm以下で、リンパ節転移がないステージがTA期ですから、告知を受けた患者さんの中には、「それぐらいなら肺葉をまるごと切除しないで、腫瘍のまわりだけを切除すればよいのでは」と思う人もいるでしょう。

また「こんなに早く発見できたのに、他のステージと同じ治療を受けないといけないのか」と疑問に思う人もいるかもしれません。実際、他のがんではごく早期に発見できた場合、レーザー治療などで治癒できることもあります。

肺がんの治療でも、病巣だけを切除する「縮小手術(温存手術)」が選択されることはありますが、基本的には高齢などで体力が十分でなく、肺葉切除術に不安がある患者さんが対象です。そうでない限り、手術ができる場合は肺葉切除術が標準治療となります。

肺葉切除術が一番望ましいのは、「再発のリスクを減らせるから」です。たとえ3センチ以下の腫瘍であったとしても、目に見えないがん細胞が周りに散らばっている可能性があり、それを取り残してしまうと後々成長して、再発という形で表れてきます。

実際、TA期で手術した場合でも、20%の患者さんが術後に再発しています。これをできるだけ防ぐために、病巣のある肺葉をまるごと切除する必要があるのです。

IA期でも、手術後の再発には注意が必要

このように、肺がんではTA期であっても肺葉切除術が治療の基本となりますが、他のステージと異なるのは「術後の化学療法が必要ない」という点です。

TB期からは、手術の後に取り残したがん細胞を攻撃する目的で抗がん剤が投与されることが一般的ですが、TA期では必要なく、手術のみで治療が終了します。

肺がんのTA期の5年生存率は、病院にもよりますが、およそ90%です。これだけ早い段階で発見できても、10%の人は5年のうちに何らかの理由で亡くなってしまうことになります。

術後は再発に気をつけるためにも医師の指示にしたがい、しっかりとフォローアップ検診を受けるようにしましょう。

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