年をとってからの禁煙は肺がんのリスク回避に意味はある?

「若いならともかく、70歳や80歳で禁煙したって今さら意味がない」と考えている人はいませんか?

確かに禁煙による健康効果は、禁煙を始めた時期が早いほど高くなりますが、いくつになってからでも病気のリスクを下げられることが分かっています。

年をとってからの禁煙も、肺がん予防に効果がある!

たばこが肺がんの原因になるとは知っていても、なかなかやめられないまま、60歳、70歳、80歳と人生を歩んできた人も少なくありません。

そのような人の中には、「もうここまで生きてきたんだから、今さら禁煙したって仕方がない」と思う人もいるでしょう。

そして周りも、「もう高齢なのだから、本人の好きなようにさせてあげたほうがいい」と考えてしまいがちです。しかし、果たしてそうなのでしょうか?

一般的に、禁煙年数が長ければ長いほど、肺がんリスクは低下します。禁煙5年で、肺がんリスクは有意に低くなり、さらに長く禁煙していると、最終的には喫煙したことがない人に近いレベルにまで下がることが明らかになっています。

国立がん研究センターは、「20年以上の禁煙で、喫煙したことのない人と肺がんリスクはほぼ同じになる」という研究結果を発表しています。

このようなデータを見ると、「やっぱり、ある程度長い年数、禁煙しないと意味がないのでは」と思われるかもしれませんが、自分が何歳まで生きられるかは、誰にも分かりません。

特に高齢化が進む今の日本では、肺がんにかかる高齢者の数は増える一方です。この先、肺がんになるリスクを減らすためにも、いくつになってからでも禁煙にチャレンジすることをおすすめします。

禁煙は、心筋梗塞や脳梗塞のリスクも下げる!

禁煙がもたらす大きなメリットは、肺がんリスクの低下だけではありません。他のありとあらゆるがんのリスクも下げますし、心臓疾患や脳血管障害などの危険性も低くすることができます。

「がん・心筋梗塞・脳出血」は、現在の日本人の死因TOP3です。これらのリスクを禁煙によって下げることができるのなら、何歳からでも禁煙したほうがいいことは明らかではないでしょうか。

たばこをやめた時の健康効果は、私たちが思う以上にはっきりとしています。たばこをやめてから、ほんの20分ほどで血圧が正常になり、8時間後には血中の酸素濃度も正常になります。

24時間後には心筋梗塞のリスクが減り、48時間後には味覚や嗅覚が回復するなど、早い段階で体には確実な「いい影響」が与えられるのです。禁煙に遅すぎるということはありません。ぜひ何歳からでもチャレンジしてみてください。

低タール・低ニコチンのたばこなら大丈夫?

肺がんの大きな原因となる、たばこ。「でも1mgなどの低タール・低ニコチンのたばこなら、害も少なくていいのでは」と思う人もいるかもしれません。

しかし研究の結果、たばこのタール・ニコチン含有量と、健康への害にはほとんど関係が見られず、むしろ「健康被害が大きくなる可能性もある」という意見も出ているほどです。

低タール・低ニコチンのたばこは、肺がんリスクを下げない!

たばこは、肺がんの重大な原因の一つであり、その他あらゆる病気のリスクを上げることは今や常識となっています。病気を予防するためには、きっぱりと喫煙することが一番です。

しかし「健康は気になるけれど、たばこはどうしてもやめられない」という人はたくさんいます。

そんな人にとって魅力的なのが、低タール・低ニコチンのたばこです。特に「タール1mg・ニコチン0.1mg」のたばこは、健康への害が少ないように思えます。

ところが、複数の機関が「低タール・低ニコチンのたばこと肺がんリスクには、何ら関係がない」というデータを発表しています

たとえば2013年、アメリカがん協会は「ライトだろうが低タールだろうが、肺がんになるリスクは普通のたばこと変わらない」という研究結果を発表しました。

しかも研究機関によっては、「むしろ低タール・低ニコチンのほうが、肺がんによる死亡率が高い」というデータまで出ているのです。

低タールのたばこは、煙を深く吸い込んでしまう!?

たばこが肺がんを引き起こすのは、おもにタールが原因です。タールは血中にはほとんど入らないものの、細胞に付着して発がんしやすくする性質があるため、たばこの煙が接する肺や喉、食道などのがんリスクを高めます。

それなら低タールのたばこのほうが、がんリスクは低くなるように思えますが、実は「タールが低い分、煙を深く吸い込んでしまう人が多い」ことが分かっています。

つまり、普通のたばこよりも煙が薄いため、無意識のうちに煙をたくさん吸おうとしてしまうのです。

その結果、フィルター部分を噛みしめたり、根元まで吸ったり、深呼吸をするように煙を吸いこんだりして、結局はたっぷりと有害物質を摂取してしまいます。吸う本数が増える人も少なくないはずです。

また、普通のたばこと低タール・低ニコチンのたばこの違いは、葉っぱの成分ではなくフィルターの構造にありますので、副流煙に含まれる有害物質の量はどちらも同じです。

周りの人にとっては、ライトだろうがスーパーライトだろうが変わらないということになります。

このように、低タール・低ニコチンのたばこであっても、肺がんリスクを減らすことにはつながりませんので、健康が気になる人は禁煙外来を利用するなどして、ぴったりと止める努力をしましょう。

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