肺がんの全脳照射による放射線の害と副作用

肺がんでは、脳転移を予防するために放射線の「予防的全脳照射」が行なわれることがあります。脳に放射線を照射するというと、副作用を心配する人も多いのですが、脳の内部に与えるダメージはほとんどありません。

肺がんの予防的全脳照射とは?

肺がんは、脳転移しやすいがんの一つです。脳転移すると、めまいや吐き気、また転移した部位によって運動障害や味覚障害、言語障害などが現れるようになり、QOLが大きく低下してしまう危険性があります。

中でも、小細胞がんは脳転移しやすい肺がんです。そこで、あらかじめ脳に放射線をあてて転移を予防する「予防的全脳照射」が行なわれることがあります。

予防的全脳照射は、脳全体に放射線を照射する治療法です。実際に脳転移した後で治療として実施する「ガンマナイフ」と比べ、少ない放射線量を1日1回、2〜4週間ほどかけて照射します。

予防的にがんを攻撃するためには、通常、抗がん剤が多く用いられますが、脳には「血液脳関門」という特殊なシステムが存在します。これは、血中に含まれる有害な物質をブロックして、脳の中に通さないようにする仕組みです。

脳が重要だからこそ、守るために備わった仕組みなのですが、これがあるために脳へは抗がん剤が届きにくいのです。そのため、脳に対しては抗がん剤ではなく、放射線を使った予防法が行なわれています。

全脳照射による放射線の副作用

いくらがんの転移を予防するためとはいえ、脳全体に放射線を照射することに抵抗のある人も多いかもしれません。「記憶障害や、人格が変わるなどの副作用があるのでは?」と心配になる人もいるでしょう。

確かに放射線は、正常な細胞にも多かれ少なかれダメージを与えてしまうため、吐き気や嘔吐、脱毛、皮膚の炎症といった副作用が現れることがあります。

ただし脳の内部に与える影響は少なく、「ガンマナイフ」などの高線量での治療と比べると、重大な副作用はほとんど起こりません

巷では「予防的全脳照射によって、認知症のリスクが上がる」という話も聞こえてきますが、検証の結果、問題となるレベルではないことが分かっています。

脱毛も一時的なものですので、数ヶ月経てばまた毛が生えてきます。それまでは帽子やバンダナ、ウィッグなどを活用して上手に乗り切るようにしましょう。

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