小細胞がんと非小細胞がんの化学療法(抗がん剤)と治療の進め方

 肺がんの中でも、小細胞がんは進行が速いことで知られますが、一方で抗がん剤の効き目がいいタイプでもあります。シスプラチンやエトポシド、イリノテカンを組み合わせた治療法が一般的です。

小細胞がんの化学療法

 小細胞がんは、肺がんの約1割と少ないものの、進行が速く発見が遅れがちなため、手術の適応となるケースは非常に少ないのが現状です。

ただし抗がん剤に対する感受性は、非小細胞がんよりも高く、上手に使うことで腫瘍を縮小させる効果が期待できます。

中でも、まだ病巣が片側の肺だけにとどまっている「限局型」の場合は、放射線療法も行なうことができますので、化学療法と同時に実施することが一般的です。

一方、広範囲にがんが広がっている進展型の小細胞がんの場合は、局所的な治療ができないため、放射線療法は適用されず、化学療法のみとなります。

小細胞がんの化学療法では、シスプラチンとイリノテカンという2種類の抗がん剤を組み合わせた「PI療法」、もしくはシスプラチンとエトポシドを組み合わせた「PE療法」がよく行なわれています。

治療成績はPI療法の方が高いというデータが出ており、現在ではPI療法が第一選択となっています。

治療の流れとしては、まずイリノテカンを点滴した後で、約3時間半後にシスプラチンを点滴し、その後1週間ごとにイリノテカンを2回点滴した後、2週間休薬します。この1ヶ月のサイクルを4週ごとに4回行なうのが標準的なスケジュールです。

小細胞がんの化学療法による副作用など

 抗がん剤の副作用としては、PI療法ではイリノテカンによる下痢の症状が、PE療法ではエトポシドによる骨髄抑制(赤血球や白血球、血小板の減少)が多く見られます。

また、いずれもシスプラチンによる腎臓障害や吐き気などの副作用が起こり得ますので、慎重に経過を観察しながら治療が行なわれます。

高齢など全身状態のあまり良くない患者さんに対しては、副作用の強いシスプラチンを使わず、カルボプラチンとエトポシドを組み合わせた化学療法が実施されることもあります。

PI療法やPE療法と比べると副作用が穏やかな上、治療成績も大きく劣らないため、強い副作用に耐えられない患者さんには適した治療法です。

ただし、これらの標準治療をそのまま使えないほど状態の悪い患者さんに対しては、個別の治療法が検討されることもあります。

非小細胞がんの化学療法(抗がん剤)と治療の進め方

 非小細胞がんは、U期までは手術の適応となりますが、V期以降は化学療法や放射線療法が治療の中心となります。

化学療法では、シスプラチンやカルボプラチンなどの白金製剤と呼ばれる抗がん剤に、もう1種類の抗がん剤を組み合わせたものが標準治療です。

非小細胞がんの化学療法

 非小細胞がんは、発見さえ早ければ手術で根治が期待できる肺がんです。しかしV期ごろから手術ができなくなるケースが多くなり、特にW期では放射線療法も行なえず、化学療法の一択となります。

非小細胞がんは、小細胞がんに比べると抗がん剤の感受性はあまり高くありませんが、効果的な抗がん剤が年々登場していますので、治療成績も上がっているといわれます。

非小細胞がんにおける化学療法では、シスプラチンもしくはカルボプラチンに、他の種類の抗がん剤(ドセタキセル・パクリタキセル・ゲムシタビン・ペメトレキセド)のうちどれか1つを組み合わせる、2剤の併用療法が一般的です。

カルボプラチンよりもシスプラチンのほうが、治療成績が良いというデータが出ています。

治療の流れとしては、たとえば「シスプラチン+ゲムシタビン」(GC療法)の場合、最初にゲムシタビンを点滴した後、約2時間半後にシスプラチンを点滴します。

その1週間後にゲムシタビンを再び点滴し、2週間休薬するのを1コースとして、3週ごとに4コース繰り返すのが標準スケジュールです。

非小細胞の化学療法による副作用など

 非小細胞がんの化学療法では、副作用の比較的強いシスプラチンが使われることが多いため、腎臓障害や吐き気、嘔吐などに気を付ける必要があります。

腎機能の低下を防ぐため、多量の輸液(生理食塩水)を行なうほか、事前に制吐剤を使用するなどして、できるかぎり副作用の発現を予防します。

ちなみにシスプラチンを使わない治療を希望する場合は、同じプラチナ製剤のカルボプラチンが使用されます。

また、組み合わせる抗がん剤の種類によっても副作用はさまざまです。いずれにしても、強い副作用が現れた場合はすみやかに報告し、対処してもらうようにしましょう。

その他、白金製剤にアレルギーのある患者さんには、シスプラチンもカルボプラチンも使わない化学療法が行なわれることもありますが、実際は稀です。

また、W期の非小細胞がんで、EGFRという遺伝子に変異があり、かつ全身状態の悪くない患者さんに対しては、「ゲフィチニブ」という分子標的薬の使用が最初から検討されることもあります。

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