肺がんの気管支形成術と拡大手術の違い

 肺がんの手術では、基本的にがんの発生した肺葉を切除しますが、他の部位にまで広がっている場合は、「気管支形成術」や「拡大手術」などが選択されることもあります。

気管支に広がった肺がんに行なわれる「気管支形成術」

 肺の中には、太い気管支と、その先にぶどうの房のように枝分かれした細い気管支が通っています。

これらに肺がんが広がっていた場合、肺葉ではなく、肺全体を取り除かないと、病巣をすべて切除することはできません。特に喫煙が大きな原因となる肺門部の肺がんは、気管支近くに発生するため、治療が難しくなりがちです。

しかし片方の肺をまるごと摘出する手術(一側全摘除術)は、術後の呼吸機能がいちじるしく低下するなど、QOLの面で問題が多いため、比較的若く、心肺機能の十分な患者さんにしか行われません。

そこで片肺を摘出せず、気管支に広がった病巣を摘出できる術式として広まっているのが、「気管支形成術」です。気管支形成術では、肺の上葉と、病巣のある気管支の一部分だけを摘出し、残った気管支同士を人工的につなぎ合わせます

太さの異なる気管支同士をうまくつなぎ合わせるためには、高度な技術が必要となりますが、最近は技術が進歩したことによって、実施する病院が増えてきました。

気管支形成術のおかげで、呼吸機能の悪かった患者さんも手術の対象になるなど、肺がん治療の選択肢が広がっています。

肺と一緒に他の臓器なども摘出する「拡大手術」

 一方、肺や気管支だけではなく、周りの組織や臓器にまでがんが広がっている場合、治療はいっそう難しくなります。その際に、肺と一緒にがんの広がっている部分すべてを取り除く手術が「拡大手術」です。

肺がんが肺をはみ出すと、近くにある胸壁や横隔膜、心臓の心房、大血管や大静脈などに浸潤していきます。通常、こうなると手術は難しく、他の治療法を検討することになるのですが、この時重要なのは「リンパ節転移」があるかないかです。

部位にもよりますが、たとえば胸壁に広がっている肺がんの場合、リンパ節転移がなければ肺がんのステージとしてはUB期となり、手術によって生存率が高くなることが分かっています。

ただし横隔膜に浸潤したがんの場合は、同じステージでも生存率はそれほど高くないため、そういったデータも参考しながら手術をするかどうかを決定します。

拡大手術は、摘出する範囲が広いため、それだけ手術も大がかりになりますし、合併症や術後のQOL低下などのリスクも高くなります。信頼できる医師のもと、慎重な判断によって行われるべき手術です。

肺がんの縮小手術

 肺がんの手術では、がんの発生している肺葉を切除する「標準根治手術」がもっともスタンダードですが、高齢などで体力が十分ではない患者さんには難しいこともあります。

そのような時に選択されることがあるのが、より狭い範囲を摘出する「縮小手術」です。

肺がんの「縮小手術」とは?

 肺がんの治療では、病巣のある肺葉と、その周りのリンパ節を切除する「標準根治手術(肺葉切除術)」が、もっとも有効で再発率も低いとされています。

肺葉は、右肺に3つ(上葉・中葉・下葉)、左肺に2つ(上葉・下葉)あり、手術ではその5分の1を取り除くことになりますので、残り5分の4があれば、呼吸機能に大きな問題はありません。

しかしそれは、ある程度心肺の丈夫な健康な人の話であり、高齢やCOPDなどでもともと呼吸機能が良くない人では、術後に苦しい思いをすることがあります。

肺は肝臓と異なり、切った後で再生する臓器ではないため、息苦しさが一生続き、場合によっては酸素ボンベが手放せなくなってしまう可能性もあるのです。

そのような場合に検討されるのが、病巣を部分的に切除する「縮小手術」です。

基本的には、TA期で病巣が2センチ以下という、ごく早期の非小細胞がんが対象になりますが、それ以上のステージであっても、標準根治手術が難しいと判断される患者さんには実施されることがあります。

いずれにしても病巣が大きくなく、リンパ節転移などがないことが最低条件となります。

肺がんの縮小手術の種類

 縮小手術は、以下の2つの方法に分かれます。

区域切除

 肺葉よりも狭い範囲を切除する方法です。どの程度切除するかは、病巣の大きさや、患者さんの体力などを慎重に吟味した上で決定されます。肺葉すべてを取り除くよりは、呼吸機能が保たれやすくなります。

部分切除(くさび状切除)

 がんの病巣だけをピンポイントで切除する方法です。病巣を挟んで2か所からメスを入れ、ちょうど三角形(くさび状)のような形で取り除くことになります。

この方法では、周りに広がった目に見えないがん細胞を取り残してしまうリスクが高いため、行なうかどうかは慎重に検討する必要があります。

CTで見た時、すりガラス状の陰影が全体の4分の3を占めているなど、まだ前がん状態の部分が多い、ごく早期の場合に選択されることの多い手術です。

いずれにせよ、縮小手術でがん細胞を取り残してしまっては本末転倒ですので、適応になるかどうかには十分な吟味が必要となります。

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