肺がんの胸腔鏡手術(メリット・デメリット)

 肺がんの手術は、多くがメスを使った開胸手術になりますが、場合によっては内視鏡を使った「胸腔鏡手術」が行われることもあります。開胸するより患者さんの負担が少ないメリットがありますが、技術的に難しい点がデメリットです。

肺がんの胸腔鏡手術のメリット

 最近、がんの手術は「低侵襲」(患者さんの体の負担が少ないこと)が望ましいとして、腹腔鏡などの内視鏡を使った術式が増えてきています。

体の表面に数ヵ所、小さな穴を空け、そこから内視鏡(カメラ)と手術器具を入れて、モニター画面を見ながら手術を行なうもので、開腹や開胸するより傷口がずっと小さく済む点が大きなメリットです。

肺がんに対しても、胸腔鏡という内視鏡を使った手術が行なわれることがあります。切除した肺を取り出すための穴と、胸腔鏡と手術器具を入れる穴を3〜4ヵ所空けるだけで手術が可能です。

肺がんの胸腔鏡手術のメリットは、「高齢など、体力に不安のある患者さんにも行ないやすい」ということに尽きます

開胸手術は、背中〜脇のほうにかけて約20センチ近く切開して行なう上、必要に応じて肋骨も切断しますので、体力の十分でない高齢の患者さんには負担の大きい手術です。

その点、胸腔鏡手術なら体を大きく切開しないため、負担が少なく、術後の回復も早く済みます。

肺がんの胸腔鏡手術のデメリット

 一方、胸腔鏡手術にはデメリットもあります。肺がんの場合は、メリットよりもむしろデメリットのほうが多いとされ、実際、まだそれほど広く実施されていません。

胸腔鏡手術では、モニターに映った中の様子を見ながら、狭い範囲内で手術器具を正確に動かす必要があります。開胸すれば、中を直接見ることができますし、メスなども自由に動かせますが、それができない分、手術の難易度はかなり上がります。

熟練した技術を持った医師でなければ、うまく肺葉やリンパ節を切除できないこともありますので、受ける際は慎重な判断が必要です。

ただし、胸腔鏡は肉眼と違って病巣をアップで写せる利点もあるため、たとえば国立がん研究センターの病院では、8〜10センチ程度の小さな開胸を行ない、胸腔鏡を補助的に活用しながら手術するなど、効果的に胸腔鏡をとり入れています。

このように胸腔鏡をうまく併用することでも、通常の開胸手術より傷口を小さくすることが可能です。

スポンサードリンク

ページの一番上へ
サイトのTOPページへ